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【終活】父の一人生活

母の葬儀のあと、私と子供たちは実家で初七日までの一週間ほどいろいろしてから北海道に帰って来て、いつもの日常が始まりました。

子供を学校と保育園に送り出して、仕事して(合間に母の手続きして)バタバタと忙しく過ぎていく私の日常。


それに比べて、

2人暮らしだった家の中から母だけがいなくなり、一人きりになった父。

母の面影だらけのいつも通りの家で、母がいない生活をするのはどんなに辛いことか。



父は、母がいなくなってひどく落ち込みました。

仕事に行って、買ってきたものを食べて、

生活はしているけど、じっとテレビの前にうずくまっているように見えました。


父と母はそんなに仲が良かったか?いや正直、そうでもなかったんですよね。

でも、死後の母は父の中で美化されてしまっていて、母との思い出の中に沈んでいる父の姿は、きっと母が見たら呆れちゃう。

”配偶者の死”は人生の中で一番の悲しみだといいますが、残されたものは残されたなりに生きていかなくてはならない、言葉で言うのは簡単だけどね。



父は一人暮らしも単身赴任も経験があるので、食事と洗濯はできるけどもともと片付けが得意ではない。実家はあっという間にゴミ屋敷になっていきました。


キチンときれいに住んで、とまでは求めないけれど、明らかに不衛生で不健康。

そんな生活を見ていると、このまま父を一人にしておいて良いのだろうか、と娘としてはやっぱり思います。

私か妹の近くに、東京に来ない?北海道に来ない?と声をかけるも、答えはNO。

まあ、そうですよね。

娘が勝手に心配して、妻を失い、仕事も辞めろ、家も手放せ、は確かに父の気持ちを無視しすぎですね。

岡山は父の地元ですしね、故郷から離れたくないよね、今から新しい土地で高齢者用の住宅に入れと言われるのは嫌よね。

分かるよ、分かるけども、娘二人はそれぞれの家族もあって岡山には帰れないし、父が倒れてもすぐに飛んで行けないから、父もいづれは「岡山から出る」を選択しなくてはならない日が来ると思う。父もそれは分かってる。


娘達があんまりヤイヤイ言うと父は耳を閉ざしてしまいます。心のシャッターを下ろしていくのが分かりやすく、スローモーションで見える。。。

夫は「お父さんは今、自由を謳歌しているんだから、そっと見守ってあげたら。」と言います。

そうか、男には男にしか分からない美学があるよね。プライドもあるよね。父は、今、自由なのか。


んー、でもね。

父の名誉にかかわりますので、あんまり細かくは書きませんが、母の死後手続きでも、いろいろ大変だったんですよ。

一緒に銀行に行かなくても、私が準備して郵送した書類に父がハンコを押して提出さえしてくれれば済むことがいっぱいあったの!しなかったの!できなかったの!

確実に、自分ではできないことがこれから増えていく。


自分の老いと向き合い、受け入れることがすごく難しいことは父を見ていて痛感しました。

今のところ何も事件は起こっていないけど、小さな”困ってる”と”不安”はたくさんあります。

何がどうなったら”高齢者”なのか、父はあのゴミ屋敷の中でどう歳をとっていくつもりなんだろう。父は、父の思い描くように歳を取ることができるでしょうか。


次回は、私の考える「終活ってなんだろう」をお話してみたいと思います。


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